6. 電話

 警備兵が不審人物を見つけた時などに連絡を取る手段は電話です。無線機を持たせると、例えば西ベルリン側など外部と連絡を取る恐れがあるからでしょう。有線電話なら決まった所にしか連絡を取れないからです。たとえ警備兵といえど亡命する可能性があるというふうに、東独指導部は自国の兵士さえ完全には信用していませんでした。

 高さ約1メートルのコンクリートの柱に電話機が設置されていて、この柱が立っている場所に警備兵が見張りに立つことが多かったです。電話の受話器にあたる部品は取り外し式になっていて、警備兵が持ち歩いていて必要なときに接続して連絡を取っていました。私のように西ベルリン側からしつこく写真を撮っていると、警備兵も怪しいと思うためか電話で司令部に連絡することが多かったのです。

 上の写真で、右側の兵士が手に持っているのが受話器です。車の向こう側にある電話機に接続して通話した後、受話器を取り外して再び車に乗り込むところです。