2. 監視塔

 壁の後ろに立っているので、監視塔も目に付く存在です。文字通り、東側から西ベルリン側へ亡命する者がいないかを見張るのが大切な仕事でした。そして、この写真のような白いコンクリート製の四角い監視塔が新しいタイプのもので、80年代後半には最も多く見られました。

 高さは、場所によって異なっていて、高いものでは10メートル以上にもなります。屋根の上にあるのはサーチライトで、夜間に亡命事件などが発生した場合に使う目的だったとみられます。通常は2人の警備兵が常時、監視塔に詰めていました。写真でも分かる通り、背後には東ベルリンのアパートがあり、監視塔が目を光らせていたのです。

 彼らが監視していたのは東側だけでなく、西ベルリン側から写真を撮るような者がいると、まず双眼鏡でチェックして電話で司令部に連絡しました。監視塔の中ほどに黒い四角い窓のような部分がありますが、この小窓は亡命者に対して銃撃する際に使われたといいます。


 左の写真は、監視塔の屋根の上に装備されているサーチライトです。右の写真は、通常より広い監視塔で、司令部としての機能を持っていました。国境警備隊の1小隊は、この監視塔にいる隊長により統率されており、ひとつの小隊は数キロの範囲の監視を担当していたとされます。無人地帯内に設置されていた警報機のシグナルなどの情報はすべてこの司令部監視塔に届く仕組みになっていました。