思い出話 その一 | ![]() |
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私が住んでいた部屋はアパートの6階にありました。窓から見ると通りの向かいに、100台以上はとめられそうな公共の無料駐車場がありました=写真=。ドイツは車社会。ベルリンも例外ではありません。中心街では車の置き場所に困るのは同じことです。この駐車場も日中は混んでいて、中に入ったものの空きが見つからず広い場内をウロウロ…なんていう図がよく見られました。 このおじさん、別に駐車場の管理人でも役所の人でもありません。どこからともなく現れる近所の年金生活者のようでした。おじさんは空きがどこにあるのか、ちゃんとチェックしていて、駐車しようと入って来た車に手招きしたりして誘導するのです。 それに気づいた運転手が、その通り車を進めると無事とめられる、というわけです。さて、問題はここからです。車が空き場所に駐車するのを見計らい、おじさんはさりげなく車に近づきます。もうお分かりですね。 ![]() 車をとめた人は、何がしかのチップをおじさんに渡すのです。おそらく50ペニヒとか1マルク程度のコインでしょうが、チップをもらったおじさんは満足そうでした。もちろん、すべての人がチップを渡すわけではありませんした。すーっとおじさんの前を通り過ぎて行ってしまう人もいましたが、それでも7割くらいの人はチップを上げていました。 おそらく、おじさんは駐車場での「稼ぎ」を、一日を締めくくる最大の喜びである一杯のビール代にしていたのではないかと思います。チップ社会だけあって、渡し方、受け取り方も自然に見えました。日本では見られない光景でした。 |